リ ン パ 浮 腫 に つ い て
むくみとは・・・
皮膚の下(皮下組織)に余分な水分がたまる状態のことを言います。
症状としては手足などが腫れぼったくなることが一般的です。
例えば、指で押した痕が戻りにくかったり、張って重いという症状などがある時は、むくんでいるサインです。
いろいろな病気が原因でむくむことがあります。
血流障害や新陳代謝の低下、筋力低下などがその一つと考えられ、血液の流れが悪くなると
体内の水分の流れも悪くなり身体の外にうまく排出されないことで、むくみがでてきます。
座ったまま、立ったままなど同じ姿勢を続けることや、食事・運動不足・ストレス・ホルモンバランスの乱れ
などで、むくみがでることもあります。
リンパ浮腫とは・・・
全身の皮膚のすぐ下(皮下組織)には網目状に張り巡らされている
多数の管があり、リンパ管といいます。
リンパ管の中にはリンパ液が流れており、皮下組織の細胞間に余分に
たまった水分やタンパク質や白血球などを運んでいます。
また、主に脇の下や足の付け根、首の付け根あたりに、リンパ液の
フィルターのような役割を果たしているリンパ節がリンパ管と
たくさんつながっています。
リンパ浮腫は、手術でリンパ節を取り除いたり、放射線治療や抗がん剤
などの影響でリンパ管が詰まったりして、リンパ液の流れが停滞し
起こるものです。
治療直後に生じることもあれば、10年以上経過して生じることもあります。
リンパ浮腫は一度発症すると治りにくく、症状が進行すればするほど
ケアも複雑になります。
症状が軽いと自己管理で改善できますが、進行すると皮膚が硬くなったり、
手が動かしづらかったり、歩きづらいなど日常生活が困難なこともあり、
早期発見・治療、毎日のケアが重要です。
複合的理学療法とは・・・
リンパ浮腫に対し、きちんとした有効性が示されている保存的療法です。
「スキンケア、用手的リンパドレナージ、圧迫療法、圧迫下での運動療法」という4つの要素を一人ひとりの
症状にして実施し、患肢挙上、生活リスク管理などのセルフケア指導により相乗効果を生み出します。
蜂窩織炎(ほうかしきえん)という重い炎症、深部静脈血栓症急性期という治療で血栓が飛びやすい時期は、
複合的理学療法の禁忌です(2020年度新リンパ浮腫研修テキストより引用)。
必要に応じて皮膚の診察や体温測定、D-Dimer採血や超音波検査(他院へ依頼)などで確認します。
●スキンケア
治療開始前に施術が可能か判断するために、医師または看護師が皮膚などの状態を確認いたします。
日常生活においても皮膚を清潔に保ち、保湿をこころがけることが大切です。
●用手的リンパドレナージ
皮下組織の細胞間に余分にたまっている水分やリンパ液を、専門的な医療マッサージ手技により
健康なリンパ管へ流し、むくみを改善させることができます。
●圧迫療法
むくみの状態によって、弾性包帯を巻いて圧迫をする方法と、
適切な弾性着衣(弾性スリーブ・弾性ストッキングなど)を着用する方法を上手に組み合わせて行います。
リンパドレナージで改善された皮膚や皮下組織の良い状態を維持し、水分やリンパ液の排液を促す効果があります。
●圧迫下での運動療法
弾性包帯・弾性着衣により患肢を圧迫した状態で、筋ポンプ作用を活かして効果的に組織液やリンパ液の流れを
促す運動を行います。
圧迫療法による水分やリンパ液の排液を促す効果をさらに高めます。
リンパ浮腫の病期分類(国際リンパ学会)
リンパ浮腫診療ガイドライン2018年版より引用したリンパ浮腫の病期分類を以下に記載します。
くりにっくやサロンでは主に0−II期で症状が安定した方々の外来施術やケアを行います。
II期後期−III期は、リンパ浮腫専門施設で入院治療を要することが少なくありません。
リンパ浮腫の現状について
リンパ浮腫の現状について、院長ブログにまとめました。